gizmotron

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GIZMOTRON
ORIGINAL GODLEY CREME
GIZNI INC.
ROSEMONT, N.J.
MANUF. UNDER U.S. PATENT #3882754 OTHERS PENDING
MADE IN U.S.A.

ゴドレイ&クレームがマンチェスター工科大学の協力を得て開発したギター・エフェクター「ギズモ」。ギター本体に装着し、弦を噛ませたギアをモーターで回転させて持続音を出す仕組みとなっている。その市販品が「ギズモトロン」。1979年にギター用ベース用2種類が発売された。

ギズモとは、「オールド・ワイルド・マン」のレコーディングの時、オーケストラを使うだけの費用がなく、かといってモーグやメロトロンの様な電子楽器を使うのは芸がないと思った二人が生み出した装置。ジミー・ペイジがギターの弦をヴァイオリンの弓で弾いていたことをヒントにしている。開発にはマンチェスター工科大学のジョン・マッコーネルが協力した。
その原理は、ギターの弦を噛ませたギアをモーターで回転する金属軸に接触させることにより、ギアが弦を弾く状態が半永久に続く様になるという単純な物。最初に2台試作されたが、その内一台は同時期にストロベリー・スタジオでレコーディングしていたポール・マッカートニーに譲渡されている。

その後2年間にギズモは改良を重ねほぼ完成の域に到達する。二人はギズモのデモンストレーション・シングル制作に着手するが、アイデアはふくらみ続け最終的には3枚組のアルバムへと発展する。完成したアルバム「ギズモ・ファンタジア」では、ダイアログ、歌、ピアノとドラム系打楽器以外の全ての音がギズモとテープ編集によって作られた。それには水や風の音の様な効果音も含まれている。
アルバム自体は残念ながらヒットしなかったが、ギズモに興味を示したメーカーが現れ、市販品「ギズモトロン」が発売される。

ギズモトロンを製造販売したメーカー名は"Gizmo Inc."。このGizmo社の前身は、伝説のサウンドエフェクター「MU-TRON III」を生み出したMusitronics社。"MU-TRON"に限界を感じていた同社は、ギズモの可能性に賭けて「MU-TRON」の技術をシンセサイザー製造会社ARPに会社名ごと売却し、社名を"Gizmo Inc"に変更した。販売店からギズモトロンの注文は殺到したが、設計に手間取り、且つ製造ラインでの歩留まりが非常に悪く思うように出荷できない状況が続いた。そんな中で幹部が相次ぎ死去する事態が発生、また新Musitronics社が倒産したためMU-TRONの特許料が入ってこないなどGizmo社は混乱を極め、遂に倒産してしまう。

出荷されたギズモトロンも、「価格が高価な割には貧弱な音しか出ない」「すぐに壊れる」などの悪評のため、ユーザーにはあまり売れなかった様だ。ちなみに価格は199ドルらしい。

レコーディングにギズモトロンを使用したアーティストは、ジミー・ペイジ、トッド・ラングレンが有名。

2015年には伝説のホフナークラビネットのレストアパーツを開発、製造しているアーロン・キプネスによる改良版Gizmotron 2.0が発売。これはケヴィンの監修が行われている。

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