history

ケヴィン・ゴドレイ(Kevin Michael Godley)
1945年10月7日 イギリス・マンチェスター出身
ロル・クレーム(Lawrence Neil Creme)
1947年9月19日 イギリス・マンチェスター出身

1960年頃ケヴィンが監督した8mm短編映画"Dracula"制作で知り合った二人は"The Sabres"というバンドに参加、地元のユダヤ人集会所などで演奏活動を行う。1965年ケヴィンは同郷のグレアム・グールドマンのバンド"The Mockingbirds"に移籍しレコードデビュー。しかし5枚のシングルを発表するもヒットを生み出せずにバンドは解散。ケヴィンはアート・スクールに進学していたロルと再びコンビを組んで活動を始める。グレアムのマネージメントで二人は1967年"Yellow Bellow Room Boom"名義でシングル"Seeing Things Green"をリリース。その後グレアムが元マインドベンダーズのエリック・スチュアートとレコーディング・スタジオ"ストロベリースタジオ"の共同出資者となったことから、スタジオミュージシャンとして出入りを始め、やがてエリック、グレアム、ロル、ケヴィンの4人でバンド活動を開始する。

1969年ヤードバーズのマネージャー、ジョルジオ・ゴメルスキーの設立したレーベル "Marmalade"より、"Frabjoy & Runcible Spoon"名義でシングル"I'm Beside Myself"をリリース。1970年にはロル、エリック、ケヴィンの3人でレコーディングした「ネアンデルタール・マン」を「ホットレッグス」名義でリリース。そのシングルは全世界で200万枚以上を売り上げる大ヒットを記録するも以降の活動は不調に終わる。その後も4人は"Doctor Father""Fighter Squadron""Amazon Trust""The New Wave Band"などとバンド名を変えながらシングルを次々とリリースし次のヒットを狙っていく。またその前後スタジオミュージシャンとして、ニール・セダカ、オハイオ・エキスプレス、ハーマンズ・ハーミッツ、ラマセスなど数多くのアーティストのレコーディングを行った。

1972年4人は、ジョナサン・キングのUKレコードから「10cc」名義でシングル「ドナ」をリリース。これが全英2位の大ヒットとなり以降バンドの活動は10cc名義が中心となっていく(74年以降は10ccに固定)。1973年リリースの3枚目のシングル「ラバー・ブリッツ」で全英チャート1位を獲得、その後も次々とヒットを飛ばす。1975年に米国進出のためマーキュリーレコード(フォノグラム)に移籍、「アイム・ノット・イン・ラブ」等名曲を発表するも、1976年に音楽性の違いから(公式にはギターアタッチメント"ギズモ"の開発のため)10ccを脱退。以降二人組ユニット「ゴドレイ&クレーム」として活動を始める。最初の仕事は"ギズモ"のデモンストレーション・アルバム「ギズモ・ファンタジア」の制作。3枚組の大作だったがセールス的には惨敗に終わる。しかしこの奇妙な装置に興味を持つ会社が現れ、1979年に市販品「ギズモトロン」が開発、販売された。

1980年自分たちのシングル曲「ニューヨークのイギリス人」でプロモーションビデオを初監督。その後ポリス、デュラン・デュラン、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド他のアーティスト達のビデオを手がけ、高い評価を受ける。1985年のMTV Video Music Awardsでは"Video Vanguard Award"を受賞した。またCM演出も手がけ始め、カンヌ国際広告祭では銀賞を受賞。1981年には画集"The Fun Starts Here - Outakes from A Rock Memoir"を出版するなどマルチアーティストとしての評価を固める。一方音楽活動では1985年のシングル「クライ」がプロモビデオの高評価も伴い彼らの代表曲となった。

1988年にコンビを解消。ロルは元バグルスのトレヴァー・ホーンの片腕としてロッド・スチュワート、ティナ・ターナーら、数多くのアーティストのレコーディングに参加。1999年に再結成アート・オブ・ノイズに正式参加した。また1991年には、アンソニー・C・ウィンクラーの小説を原作とした劇場長編映画"The Lunatic"を監督している。2006年にはトレヴァー・ホーン、スティーヴン・リプソン、クリス・ブレイド、アッシュ・ソーンとバンド"The Producers"を結成している。バンドは2012年にデビューアルバム"Made In Basing Street"をリリース。同年トレヴァー・ホーン・バンドの一員として初来日予定。
ケヴィンはその後もプロモーションビデオの監督を続け、U2、ポール・マッカートニー、ローナン・キーティングらの作品を手がけている。他にも「ファッションエイド」「バンドエイドII」など様々なチャリティー活動に参加。1990年には自らが企画した環境問題チャリティアルバム「ワン・ワールド・ワン・ヴォイス」を発表している。また2006年からグレアムと一緒に作曲、レコーディングした新曲6曲を"GG/06"名義でダウンロード販売で発表している。2007年にはグレアムの10ccのコンサートにゲスト出演。その模様はDVD/CD"Clever Clogs"としてリリースされている。2012年の10cc結成40周年コンサートには再びゲスト出演した。近年はiアプリ"WholeWorldBand"を共同開発している。

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